「靴下ブランドの展開を考えており、製造業者の選び方がわからない」
「靴下の企画はできているが製造の進め方がわからない」
本記事では、靴下ブランドを立ち上げたいと考える法人・個人の方に向けて、製造をスムーズに進めるための具体的なステップと注意点をお伝えします。

靴下の参考サンプルを購入する
靴下を製造したいという場合、サイズ、肌触り、着用感、デザインなど様々なポイントがあります。
まずは「サイズ・素材・肌触り・デザイン」などの要望を整理し、それに近い既存の靴下をサンプルとして購入してみましょう。
サンプルを購入した上で、デザインも含めて大まかに企画をしていきます。
ラフスケッチが上がったら、次は業者探しに入ります。早い段階で業者と打ち合わせをしながら進行することをお勧めします。
企画が全て完成した状態で、「技術的に製造ができない」「価格が合わない」などの問題が発生すると、またゼロから考えなければなりません。
靴下OEM業者を選ぶポイントとは
業者選びは、靴下ブランド立ち上げの成功可否を左右すると言っても過言ではありません。
Googleで「オリジナル靴下」「靴下OEM」などと検索すれば多くの業者が出てきますが、それぞれ専門性や得意分野が異なります。
業者が多すぎてどこに見積依頼をしてよいか迷われてしまうかもしれません。
靴下製造業者(工場)の得意分野を見極める
同じ靴下の業者でも得意分野や最低生産数量(ミニマム数量)がそれぞれ異なります。
プリントが得意だけれど、編み込みは不得意、小ロットは難しいけれど一定の数量のオーダーをすればこなれた価格を出すことができるなど、業者によって得手不得手があります。
予算や企画にあった業者を選びましょう。条件や生産実績など細かく質問をし、見極められることをおすすめします。
コミュニケーションの相性
依頼主と業者のコミュニケーションもとっても大事です。
業者と生産現場のコミュニケーションがうまく行っていたとしても、依頼主と業者との間で意思疎通にづれがあると、やはり問題が生じます。
できる限り近場で、細かい点を直接打ち合わせ可能な業者を選ばれることをおすすめします。
業者も人間ですので、依頼主の意するところが微妙に伝わらない場合もあります。
こだわればこだわるほど、細部が大事になってきます。
自社ブランドを立ち上げるためには、製造業者からの協力が必要不可欠です。
もしできることであれば、オンラインでも構いませんので少なくとも1回は商談するのがベストです。
「かみ合うかどうか」「人間として信頼できるかどうか」
を肌で感じることが可能です。
不動産屋さんで、家を借りるときも、その日のうちに成約を取りたいがために、ゴリ押しをする営業マンがいます。
そこで流されて成約をしてしまうと、あとで後悔しても後戻りすることができなくなってしまいます。
売り手と買い手がお互いにしっかりと話し合い、ミスマッチを極力少なくすることが、お互いにとってプラスになります。
御社が「どんな想いで、誰のために」その商材を作りたいか、ものづくりの背景にある「コト」を理解してもらうことも大切です。
製造業者が「コト」を理解することで、「目標に向かって一緒になって取り組む」という責任感とやりがいが芽生えます。
靴下製造業者とのコミュニケーションで仕様をつめる
参考サンプルとデザインを交えて、業者にできるできないも含めて相談しましょう。
業者の得手不得手を判断するためにも参考サンプルが役立ちます。
サンプルがあると、業者もよりイメージがしやすいので、お見積もスムーズに出すことができます。
からないことがあれば遠慮せず質問し、サンプル製作に入る前にできる限り不明点を解消しましょう。
デザインと仕様を固める
業者とのディスカッションの結果を交えて、デザインなどの仕様を固めていきます。
業者がデザインを入稿するためのテンプレートを持っていたり、色を選ぶための見本帳を持っていることもありますので、確認しましょう。
デザインと仕様が固まったらいよいよサンプルの製作に入ります。
サンプルが到着したら必ず試着と試用を行う
サンプルがUPしましたら必ず試着しましょう。特殊な用途がある場合は実際に試用してみることをお勧めします。
デザインだけを見て進行してしまうと、あとで思わぬ落とし穴が待っていることもあります。
改善したい点があれば、遠慮なくどんどん業者に質問しましょう。
修正サンプルを製作して問題がないことを確認してから製造に進みたいところです。ここで腰を据えてきっちりできるかどうかが成否の分かれ目になることがあります。
パッケージデザインを行う
サンプル製作と同時にパッケージをどうするか検討する必要があります。
パッケージも業者がテンプレートを持っている場合がありますので、忘れずに早めに確認しておきましょう。
靴下OEM製造業を営む私たちもパッケージでは苦い経験があります。
サンプル製作に夢中になり、私たちもお客様もパッケージの検討をするのをすっかり忘れてしまっておりました。
気がついた時にはモノの生産だけが進んでおり、製品があっても梱包ができないという事態に陥ったことがあります。
初回生産とリスク管理
サンプルとパッケージについて確定したら、いよいよ業者への発注となります。
まとめて製造するとコストは安くなるのですが、初回は市場テストを兼ねて、最小ロットでスタートするのがリスクを抑えるコツです。
市場に出してみて初めて気がつく改善点もあるかもしれません。
発注しましたら、念には念を入れて納品前に1個だけでも、生産サンプルを確認されることをお勧めします。
まれにサンプルよりも縫製が粗かったり、糸クズが付着していたり、パッケージが間違っていたりすることがあります。
納品前できる限り早い時期に問題の発見ができればリカバリーも可能です。
長く信頼できるパートナーを
靴下ブランドの成功には、信頼できる製造パートナーの存在が欠かせません。
時間をかけて関係を築きながら、トライ&エラーを重ねていくことが、結果的に最も近道になります。
やりとりを繰り返しているうちに、業者が御社のことを理解するので、段々手間がかからなくなって行きます。長期的な視点が大切です。
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